人生の目的は「幸せになる」ことだと思っています。それは周りの人々を幸せにする事でしか達成できません。周りの人々をほっとさせる、心を和らげるには自らの心の有り様が大切です。そのためには「感情」を制御する必要があります。その人の心のなかを100%とすると、55%は「悲しみ」、40%は「喜びと慈しみ」、残りの5%は「怒り、憤り」が理想だと思います。
「悲しみ」は人の感情のなかで最も尊い感情で、人が人であり続けるために絶対に抱き続けたいものです。この感情が心の過半数を超えたとき、人生は少し開けます。
厳しい経済社会のなかで、少子高齢化が進む我が国、閉塞感のうえに右肩下がりを覚悟して生きなければなりません。生きることが試練であり、様々なリスクも増してきています。「悲しみ」は人間の肉体的限界や人生のはかなさを受け入れて生きなければならない現代日本人に最も求められる「感情」ではないでしょうか。
「悲願」「悲母」「悲恋」「悲愁」いずれも心を求めて生きる人にしか味わえない言葉ではないでしょうか。
「悲しみ」が原点の人は決して絶望しません。すべての困難や苦しさをやがて受け入れることができます。
「喜びと慈しみ」は人との共感を高めます。親友や恋人を人生の長き良きパートナーとして生きる人は必ずこの「感情」が心の多くを占めています。
「怒り、憤り」は決して無くしてはいけません。人の過ちや世の不正や不条理を正すために必須の「感情」です。しかし、この感情を「恨みや嫉妬」に転化してはなりません。「恨みや嫉妬」は抱いた人自身を傷つけます。この「感情」のために体を壊した人を私は何人も見てきました。
心の有り様が「幸せ」になれるかどうかの決め手かも知れません。